僕が音楽に求めているもの
音楽の勉強はとても根気のいる作業です。
僕も音楽を勉強していて、つらいことのほうが多かったような気がします。
ひとつのことができるようになっても、また次の課題があらわれ、少し自信がついてくると、もっとすごい人に出会って打ちのめされます。
勉強をすればするほど、結果はついてきますが、ゴールがないので、寿命が百年あっても千年あっても足りないのではないかと思います。
今でも、宇宙人がやってきて、不老不死の体をくれるとしたら、僕は喜んでもらってしまうでしょう。
そうまでして僕が音楽を勉強するのはなぜか、理由ははっきりしています。
音楽は僕を自由にしてくれるからです。
音楽に課題を投げかけられ続ける僕は、傍から見ると音楽に縛られているように見えるかもしれませんが、実際は逆です。
音楽に限らず、芸術はすべて、発見と発明の連続です。
セオリーは大切ですが、それは道具でしかありません。
自分の魂を表現する創作の世界ですから「こうあるべき」という価値観そのものに意味のない世界です。
もし、「こうあるべき」という価値観が芸術にあるとしたら、それは、「こうあるべきという価値観を押しつけないべき」だと僕は思っています。
僕はその自由な世界が大好きです。
そこには苦しいこともたくさんありますが、自由とは決して無責任な世界ではありません。誰にも頭を押えられない、限界のない世界です。自分で自分を奮い立たせるしかない世界です。
僕は僕が生まれたこの世界に音楽があって、本当によかったと思っています。